映画日録

映画日録

一番好きな映画は『バベットの晩餐会』、一番つまらなかった映画は『パッチギ』。視聴した映画の感想を書いていきます。読者登録、コメントお待ちしております。

サウスポー

f:id:eiganichiroku:20200301102427j:image

2020年3月1日(火)

サウスポー 123分 視聴

 

この映画は、私が就活をしていた際に映画会社の面接の質問で、『あなたが一番好きな映画は?』という問いに対して、隣に座っていた女性が、この映画の名前を挙げていた。私が就活をしていた時代は、この映画が公開になった直後であった。映画の愛情があまりない人は、公開になる前後のみ映画の名前を挙げ愛情を持つが、時が経つとともに忘れ、愛情も無くなっていくのだろうと私は感じたことを覚えている。その女性と私の捻くれた考え方のおかげでこの映画を私は今までずっと覚えていた。

 

 

私は大学生の時に『遠い空の向こうに』という映画を視聴した。この映画は、非常に面白く、印象深いものであった。それから、社会人になってストレスと不規則な生活によって、私は大学生の頃より太った。その後、筋トレを始め、規則的な生活をすることによって、体重が落ち、筋肉質な身体になった。今でも、筋トレと規則的な生活を習慣として続けている。

 

そんな経験と生活を続ける上で、ある日ジェイク・ギレンホールという俳優を知ることとなる。この俳優を初めて見た時に、顔は男前ではないが、良い雰囲気を持っていると思った。それから調べてみると、若い頃に映画『遠い空の向こうに』で主演を務めており(顔が年齢とともに変わっており、気付かなかった)、さらに映画『サウスポー』で役作りの為に、筋トレをしている動画を見つけた。偶然と偶然が重なったので、これは視聴するしかないと思い、この映画を借りた。

 

 

物語としては、定番に近いようなものであった。連戦連勝無敗のチャンプが、挑戦者との試合をする場面から映画が始まる。主人公はこのチャンプであり、この試合も勝利を収めることとなる。主人公には、妻と小学生の娘がおり、豪邸で家族仲良く暮らしていた。試合直後の会見で、チャンプを挑発する新たな挑戦者に出会う。その際は、怒りを我慢し、その場を離れる。

 

後日、主人公は妻とあるイベントに向かう。その会場には、会見での挑発してきた挑戦者もいた。イベント終了後、会場で挑戦者と出会し、再度挑発される。その際に、チャンプは我慢しきれず、キレて挑戦者に殴りかかる。会場中が騒ぎとなり、挑戦者側の人間が発砲した銃弾が妻の腹部に当たり、妻は亡くなってしまう。

 

 

それからというもの主人公には覇気が無くなり、次の試合で負け、その時に審判に頭突きし、1年間の出場停止処分になる。手持ちの金が無くなり、建てた豪邸も車も差し押さえで一文無しになる。また、飲酒運転、薬の疑いで捕まり、親権が無くなって、娘と一緒に暮らせなくなる。何も無くなって絶望状態の主人公が、もう一度人生を取り戻す為にボクシングをやり直し、奮起していく。

 

この映画の設定としては、ありきたりで面白くないものであるが、映画の構成としては素晴らしかったと感じた。今までボクシング映画は、『ロッキー』、『レイジング・ブル』、『シンデレラマン』など視聴してきたが、この映画も同じように面白かったと思う。

 

 

物語の設定が雑なだけに、映画の構成は、繊細で現実感を漂わせていたように感じた。クライマックスも何もかも分かりきっている状態で視聴するが、見ているものを飽きさせず、なぜかドキドキさせるような何かがあった。これは、映画の撮り方と演技が良かったのかもしれない。そして、映画の間々に入ってくるエピソードに無駄なものが無かったように感じた。

 

天晴れと思える映画であった。しかし、ボクシング映画で一番面白いのは、『シンデレラマン』である。