鬼が来た!
2019年12月7日(土)
鬼が来た! 139分 視聴
大学の時からずっと見たかった映画を視聴した。内容も何も知らず、タイトルとカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞したということ、パッケージがイカしているだけで興味を持っていた。
パッケージを見たときに初めて気づいたが、香川照之が出ていた。演技が上手いと定評のある俳優であるが、この映画では演技だけでなく、容姿も髭が似合い最高であった。
1945年、中国のある集落での話であった。その時代は、戦争真っ只中で、その集落は日本兵の植民地となっており、中国人は肩身の狭い状況で生活を送っていた。ある日、深夜に若い恋人同士がセックスをしていると、そこに「私だ」とだけ名乗る男が訪ねて来るところから事の発端が始まる。その男は、銃口を家の主に向け、麻袋2つを強引に手渡し、30日ほど預かるよう命令される。そして、30日後に引き取りにくるとだけ言い残し、姿を消した。
その後、麻袋の中を開けると傷だらけの日本兵と、日本兵に雇われた中国語の通訳要員が入っていた。日本の植民地となっている集落の中で、他の日本兵に見つかってしまうと集落全員の命が危険に冒される状況の中で、日本兵との共存生活が始まる。
この映画は、中国側から作成されているからか日本人の見え方として少し誇張している箇所があった。というか、そう思いたい。なぜなら、映画の中で日本人はカスな部分が多かったからである。自分のことしか考えていない日本人、強いものには従い、弱いものには傲慢な一番ダサい人物像が描かれていた。私が想像していた日本人より、弱く卑劣な人物が多かった。1945年の話であったが、映画を制作しているのは2000年なので、その時代を想像した部分も多くあるのであろう。あと、この映画はコメディータッチであったので、そういった理由もあるだろう。
私は、毎度カンヌ国際映画祭に選ばれる作品は、とても内容が面白い映画というのではなく、撮影方法、映される色などの芸術点に左右されているのではないかと思う。私は映画に精通しているわけではないからか、単純に面白さだけで言うと、グランプリに選ばれるほどなのであろうかと少し感じた。
しかし、その中で「シンドラーのリスト」や「初恋のきた道」などで使用されていた基本は白黒なのであるが、一瞬だけ色を使う技法が用いられていたのは素晴らしかった。また、使うタイミングも抜群であった。この監督の映画は、今回初めて見たが、他の映画も見てみたいとほんの少し思った。
この映画とは全く関係ないが、「シンドラーのリスト」、「初恋のきた道」は最高である。私は、最高の映画とは一度見ただけで、物語を強く覚えておけるものが一番重要であると思う。内容が凄く面白くなかったとしても、人の脳裏に焼き付けれるインパクトが映画の中で最も大切であり、それが映画としての一番の醍醐味であると考えている。今後も最高の映画に出会えることを常に期待している。