映画日録

映画日録

一番好きな映画は『バベットの晩餐会』、一番つまらなかった映画は『パッチギ』。視聴した映画の感想を書いていきます。読者登録、コメントお待ちしております。

素晴らしき日曜日

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2019年11月16日(土)

素晴らしき日曜日 108分 視聴

 

久しぶりに映画を見た。黒澤明の映画を久々に見た。黒澤明の映画は、基本的に三船敏郎が出ているものばかり見てきたが、生きる、姿三四郎以外では、初めてかもしれない。

 

物語としては、戦後の金のないカップルの休日を描いた作品であった。映画は108分あったが、映画の中では、1日の出来事をずっと映していた。アメリカの素晴らしき哉、人生!という映画から影響されて作ったとのことであったが、ストーリー的にも、設定的にも似ている部分は確かにあった。日本人とアメリカ人との文化や考え方の違いではなく、それぞれの国の街の風景だけ違う、ただそれだけが違うだけで、他のものはほとんど同じように感じた。

 

辛いことがあれば、良いこと、楽しいことがあるという生活、人生の情景の繰り返しを描いていた。映画の中では、辛いこと、悲しいことの方が多かったが。この映画の中で、一番印象に残った箇所は、この映画を見た誰もが思うことであると思うが、終盤に近い場面で、ヒロインの女優がカメラ目線で舞台の客席に向かって、話しかけているシーンであった。客席に向かってというより、映画を見ている視聴者に対して言っているような撮り方、訴えかけ方であった。この視聴者に対して訴えかける技法は、ウディ・アレンアニー・ホールという映画で初めて行ったと思っていたので、衝撃であった。やはり、黒澤明は世界的にすごいのかもしれない。評価されている理由が少しわかるような気がする。

 

私は、映画の撮り方、技法、歴史など全てにおいて知識は乏しいが、こんな私でもやはり黒澤明は特出したものがあったのだということが感じれる。

 

1947年に公開された映画であったが、戦後の時代を描いた話であったが、若者は金がなく、何に怒っていいのかわからず、ただただ有り余ったエネルギーを消費出来ずに、日常に不満、不平を言う今の現代のクソみたいな若者と何ら変わりない人物が主人公であった。どの時代も成功して金があるもの、生まれた環境が良かっただけの金持ち、文句ばかり言って何も行動せず一歩も踏み出せない臆病なもの、など色々な人がいるが、昔も今もこの映画によると変わらないらしい。

 

私は今25歳であるが、就職してもうそろそろ3年が経つ。とりあえず3年などという意味が分からない、世間でよく言われる年数が経とうとしている。私も不安があり、臆病で自信や才能など何もないが、日々とりあえず行動するようにしている。その行動の先の方向は、絶対に合っているとは思わないが、それで間違っていて、後退することもあると思うが、動く、変化することは重要だと思う。なぜなら、じっと立ち止まっていても、生きていても楽しいことがないからである。私は、中学2年の時から掲げている、誰よりも面白、おかしく生きて死ぬという人生のテーマをこれからも守り生きていく。60歳で死んだ時に、誰かに、誰でもいいので、影響を及ぼした人生であることを望む。

 

 

 

 

 

スリー・ビルボード

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2019年10月27日(日)

スリー・ビルボード 115分 視聴

 

この映画を見る動機は何もなかった。ただただ目に入ったので、見てみた。パッケージには、見たことのある俳優、女優がいたので、TSUTAYAで借りてみた。

 

このストーリーは簡単に言うと、ある一人の女性が、自分の娘がレイプされて殺されて、病んでいるところから始まる。自分の仕事の帰り道に、路上にある3つの広告塔を見つけ、それに自分の娘を殺した犯人を見つけない警察官に苛立って、その警察官に向けてメッセージを込めて、広告塔を作成する。それが事の発端となる。

 

それから、色々な人物のストーリーが始まる。それは、傍から見ると、ストーリーから関係のないことや良くわからないことが始まり、それぞれに終わりを告げていくこととなる。

 

このストーリーは、言葉では伝えきれない何かがあるような気がする。この映画を見たときに、今まで私が見てきた映画の中にはない、ストーリー性、物語の進め方があったように感じる。全く新しい世界を垣間見たように思う。映画とは、自由に進めていいのだと感じれる映画だと考える。私が、今まで見てきた、というか、今までの王道と言われる映画を全て否定するかのような映画だと思う。

 

映画、芸術を引っくるめて、自由に表現することの大切さ、そうしていいのだと思わしてくれる映画であった。見る人によれば、統一性はないのかもしれないが、今までありきたりな設定の映画を見てきた人には、新しい映画になっているのかもしれない。

 

しかし、映画の歴史に残るような衝撃はないのかもしれない。

 

私は、これからも映画、芸術を愛する。愛していく。

 

 

イエスタデイ

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2019年10月22日(火)

エスタデイ 116分 視聴

 

また、ベタな映画を見てしまった。

私は、ビートルズのことが好きであり、さらにこの映画の予告編を見て、興味があったことは、間違いない。

 

この映画は、予告編通り売れないミュージシャンが一人存在しており、そのミュージシャンが小さなライブ帰りに、自転車で帰っているときに何かが起きた。その何かとは、世界中で12秒間のみ電気が止まるという現象が発生した。

それは、電気が止まるというより、映画の中では時が止まったというように表現されていた。その際に、主人公は走行中のバスと衝突する事故にあった。主人公は、事故により歯が折れ、体を痛めつけてしまったので、入院することとなった。

退院後、友人が集まる中で、退院祝いでアコースティックギターをもらった。そのギターで友人の前でビートルズのイエスタデイを演奏した。友人らは、それに感銘を受けて、称賛していた。主人公はその現象をおかしいと思い、各々に曲について確認した。その後に分かったことだが、誰もビートルズを知らない世界となっていた。

あの12秒間、時が止まった中で、人々の記憶にはビートルズ、さらには、オアシス、コカコーラなどの存在も消滅していた。

その後、主人公はビートルズを再び世に広めるため、認知活動を起こすこととなる。

それを行うことによって、主人公は、名誉、名声、富を得ることとなるが、その裏側には、失うものもあり、これは、その状況の中での主人公の葛藤を描いた作品である。

 

私は、ビートルズが好きで、この映画を見たが、ストーリーとしては、ベタベタであった。しかし、それがつまらないということではなく、ベタベタの中にもビートルズの名曲に乗せて繊細な表現があった。そのことにより、ビートルズの名曲が良く描かれていたのではないかと思う。

全く関係ないが、その中で特に嬉しかったのは、オアシスのワンダーウォールが、ちょっとかかったことが何より嬉しかった。私は、ビートルズのファンではあるが、それ以上にオアシスのファンである。

余談はこのぐらいにして。

この映画に関しては、綺麗に纏まっている映画であった。綺麗にまとまり過ぎていて、今後の映画の歴史には、名前が残らないだろうと感じた。俗にいう万人受けという映画だった。

しかし、見る価値はあると思う。

私は、今後見る映画には、歴史に残るような衝撃を期待し続けていたい。

私は、今少し酔っているので、このぐらいで終わる。

 

 

 

ジョーカー

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2019年10月19日(土)

ジョーカー 122分 視聴

 

あまりベタ過ぎるのは見たくない質だが、この映画は予告編を見ている時から興味があったので視聴した。

私の友人から、演者の演技は素晴らしいが、ストーリーは良くないと聞いていたので、その先入観を持って映画を見た。

 

物語は、主人公が一般人からジョーカーになるまでの話。元々主人公には精神に疾患があった。それは、幼少期の家庭環境から来ているものだった。基本的には幼少期の描写はなく、成人してからの話が繰り広げられていた。

成人してから母と二人暮らしで、細々と生活していた。そんな中、仕事で上手くいかなかったり、病気が悪化したり、不幸が積み重なっていく。さらに、物語が進むごとに、自分の幼少期、母親について、知っていくこととなる。この話は主人公にとって、良いことは何もなく、災難が続いて不満が溜まり、悲哀のみが残る。

ジョーカーは、その悲しみを行動に置き換えて様々な方法で表現する。上流階級の人間からは忌み嫌われるが、下流階級の人間からはヒーローと崇められる。その小さな行動がジョーカー1人から大勢に変わり、コメディから殺人へと変貌を遂げていく。

 

ストーリーとしては、最後のシーン以外は良かったと思う。なぜなら、ストーリーを重視しているというよりも主演男優の演技を魅せるような場面が多かったように感じたからである。視聴者が物語よりも俳優の演技に注目するように出来ているように見えた。私の友人は、演出側の意図に上手く引っかかっているのではないかと感じた。

私はこの映画を見て、病んでいる人の話だったので、私自身が気持ち悪がるかと思ったが、何も感じなかった。気持ち悪がるどころか、少し賛同出来る箇所があった。私が学生の頃であったら、鼻で笑ったりしていたであろう光景が、今の自分では、人が壊れていく部分を見るとその気持ちが分かってしまうようになっていた。よって、私は病んでいるということが再確認できた。

日本でヒット、世界的にヒットしていると耳にするが、理由としては映画をただ見に来ているのではなく、世の中に病んでいる人が多いのではないかとちょっと考えてしまう。

幸せを感じて生きている人がどれぐらいいるのだろう。私は、この病んでる状況を打破するために、幸せになるのではなく、幸せを多く感じることが出来る心を手に入れたい。この映画では行動することの重要性も教えてくれたような気がする。私は、この自分の満足できない状況を打破するために、環境を変える行動をこれからも続けていく。

 

フレンチ・コネクション

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2019年10月14日(月)

フレンチ・コネクション 104分 視聴

 

刑事ドラマ。

2人の刑事が麻薬組織グループを追う話であった。設定はごく普通のストーリーであったが、ワンカットごとの撮り方、表現の仕方が他の映画にはない、この映画独特の手法だと感じた。

 

1970年代の映画の色彩、それぞれの人物の荒々しさなど時代背景も感じる。私は、1970、1980年代の特有のカラー映画の色合いや人物の傲慢さなどが好きなので、飽きずに見ることが出来た。

 

また、ノンフィクション映画であり、最後のシーンなどは、現実味のある終わり方であった。しかし、その見せ方は他の映画にはないものであったので、面白く感じた。

 

私にとって、刑事という職種は、あまり馴染みのない仕事である。アメリカでは、日本と違い事件が多発しており、映画と近しい状況になるのかもしれない。だが、色は大いに付けていると思う。その中で、私が影響を受けたのは、主人公が必死に情熱的に仕事をこなしていた部分である。私は現在、自身の仕事に情熱を捧げることが出来ていない。その箇所について、私も必死になれるよう、人生を楽しみたい。

ガタカ

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2019年10月12日(土)

ガタカ 106分 視聴

 

近未来の話であった。

遺伝子を操作し、子供の性別、能力、遺伝する病気などを選択でき、生まれた直後に採血し人間をID管理する世界だった。

しかし、その状況の中で主人公はただ愛し合って出来た子供であったので、寿命が30年であり、また心不全など病気のかかりやすい状態で生まれた。

主人公は、物心がついた時に夢があり、それは宇宙飛行士になることだった。体が弱かったため、両親に反対され、否定され続けていた。でも、主人公は諦めきれなかったので、家を飛び出すこととなる。

その後、仕事を転々とした中で、ガタカという宇宙飛行士を輩出する企業の清掃員になることとなった。ガタカの宇宙飛行士になりたかったが、主人公には体力がなかったので、夢を諦めざるを得なかった。

そんな中ある一人の足を怪我した水泳のオリンピック選手と出会う。その男は遺伝子操作で生まれ、理想の体を持っていた。主人公は、その男に金を払い、名前を借りて、自分を偽り宇宙飛行士を目指すことを決意する。データ管理の時代に、嘘を固めて生きる生活が始まった。

 

私は、この映画を見て現代の日本に通ずるものがあると感じた。日本では、企業に入る際には、一流大学を卒業しているもの、新卒であるもの、部活で好成績を収めているものなどの肩書きが重要である。確かにその方が良い人材が見つけやすいという簡単な方法ではあると思う。今後は、試験がより簡素化され、人間ではなく、AIが監督する時代となるのかもしれない。その時には、経歴、家庭環境などが重要となるだろう。

今後、生まれてくる子達の人生は、生まれた瞬間にある程度決まっており、お金がない家系、中学卒業者などのドラマのような人生逆転劇は少なくなるのかもしれない。しかし、私はそんな時代にこそ、私を含め、多く人の人生逆転劇を期待したい。